レントゲンによるX線発見から約120年、ハンスフィールドによる初代CTの開発から約40年、CT画像診断技術は目覚ましく発展しました。また、ラビによる核磁気共鳴(NMR)の検出から約80年、ポール・ラウターバーによる初代MRIの開発から約40年、MRI画像診断技術もCTに並行して目覚ましい発展を遂げてきました。
現在、CTとMRIによる画像診断なくして、医療は成り立たないと言っても過言ではありません。
一方、我が国では、他国と比べて医療被ばくが多いことも問題視されています。
我が国のCT, MRIの総撮影回数(2018年)は、政府統計の総合窓口(e-Stat)より閲覧ができます。まず、e-Statへアクセスし、政府統計名「社会医療診療行為別統計(旧:社会医療診療行為別調査)」と検索し、「閲覧1診療行為の状況」の医科診療を開き、その中の第1表「医科診療(総数)」をダウンロードします(図1)。
図1. 社会医療診療行為別統計データのダウンロード
次に、ダウンロードした資料からCT, MRI撮影に関する部分を抜き出します。資料に記載されている数値は、審査が行われた6月の1ヶ月分のデータなので、12倍して1年分の撮影回数を概算しています(図2, 図3)。
以上のように、年間のCT撮影回数は、のべ約2400万回、MRI撮影回数は、のべ約1400万回です。日本の人口が約1.2億人なので、1年間でCTは約5人に1人、MRIは約10人に1人が撮影する計算になります。次回は、日本のCT, MRI装置台数や撮影回数を世界各国と比較してみようと思います。