開発の背景
早期発見の鍵を握る「大腸内視鏡検査」
2019年に日本国内で新たに診断されたがん症例999,075例のうち、大腸がんは155,625例と最も多くの割合を占め、年々上昇傾向にあります。*1
また、がんによる死亡数を見ても、肺がんに次いで2番目に多く*2、予防と早期発見への注力が求められています。
先行研究では、全大腸内視鏡検査(TCS)によるスクリーニングと予防的腺腫性病変切除は、大腸がんの罹患率・死亡率を低下させることが示されています。*3
一方、大腸内視鏡検査は検査を実施する医師の技量に頼る部分も多く、大腸がん患者のうち、大腸がんが見つかる前の5年以内に大腸内視鏡検査を受けていた147例を調査した研究においては、6割近くに及ぶ85症例は「病変の見落とし」に起因すると指摘されるなど*4、いかに早期に病変を発見・切除できるかが課題となっています。
エルピクセルでは、医師のワークフローを阻害することなく、読影診断における物理的・心理的負担を軽減することを目指し、この度のEIRL Colon Polypリリースに至りました。
*1 e-stat「全国がん登録 / 全国がん登録罹患数・率 / 事業の概要及び解説」(調査年月:2019年、公開(更新)日2022-05-27)
*2 がん情報サービス「全がん死亡数・粗死亡率・年齢調整死亡率(1995年~2020年)」
*3関口正宇,齋藤豊,松田尚久(2017)「大腸癌死亡率減少のために ―日本における内視鏡検診導入の可能性とその是非,費用対効果分析も含めて―」『日本消化器学会雑誌』59巻6号p.1393-1402
*4 Chantal M C le Clercq,Mariëlle W E Bouwens,Eveline J A Rondagh,C Minke Bakker, Eric T P Keulen, Rogier J de Ridder,Bjorn Winkens,Ad A M Masclee, Silvia Sanduleanu “Postcolonoscopy colorectal cancers are preventable: a population-based study”le Clercq CMC, et al. Gut 2014;63:957–963. doi:10.1136/gutjnl-2013-304880
解析結果表示例
大腸内視鏡検査中に通常白色光モードにおいて入力された大腸内視鏡画像情報から、大腸ポリープ候補を検出することが出来ます。検出した場合には、メイン画像の四隅を囲むアラート枠を表示した後、ポリープ候補領域の四隅を囲む矩形を表示します。
WORKFLOW
大腸ポリープがメイン画像に出現し、本品が大腸ポリープ候補と認識した時点でメイン画像四隅を囲むアラート枠が表示される。
WORKFLOW
アラート枠表示後、アラート枠がポリープ候補領域に向かって徐々にフォーカスしていく。
WORKFLOW
大腸ポリープ候補領域の四隅を囲むボックスが表示される。
OTHER CASES
複数ポリープを検出した場合はその数に応じたボックスで候補領域を示す。
*画像はイメージです
解析動画
主な機能
内視鏡操作と診断支援を1つの映像で実現
精緻な解析のために多少の処理時間を要する一方、内視鏡の安全な操作のためには検査映像の遅延は許容されません。本ソフトウェアでは、矩形等の解析結果のみを元映像に重畳し表示することで、映像の遅延を発生させないだけなく、メインモニタの1画面で検査動画と解析結果の表示を完結することが可能です。
よくある質問
どの内視鏡装置に対応していますか?
現在オリンパス社製ビデオプロセッサ(EVIS LUCERA ELITE ビデオシステムセンター OLYMPUS CV-290およびEVIS X1 ビデオシステムセンター OLYMPUS CV-1500)及び富士フイルム社製プロセッサー(VP-7000)に対応しています。
デモは可能か?
はい、デモ用の装置を施設にお持ちしますので気軽にお問合せください。