開発の背景

胸部CT画像から「関心領域」を抽出

肺がんは、日本における死因第一位である悪性新生物(腫瘍)の中でも高い死亡数・死亡率を示しています*1。こうした状況を改善するためには、何よりも早期発見と早期治療が肝要であり、肺がんが疑われる肺結節を早期に発見するため胸部X線検査やCT検査が実施されています。
一般に、自治体や事業所等の定期健康診断で行われる胸部X線検査において、何らかの所見が認められた場合には、精密検査として胸部CT検査を行います。また、入院患者のフォローアップとして定期的に胸部CT検査が行われるなど、医療施設では定常的に胸部CT検査が行われています。
日本CT検診学会が示す「読影の留意点」の一つ目には、肺がん(肺結節)について「10 mm を超えても見落とす事あり*2」と指摘されるなど、胸部CT検査には高い精度の維持が求められています。
しかしながら、医師の業務逼迫等により1症例にかけられる読影時間は僅かです。さらに、見落としや誤診を防ぐための「二重読影」を実施していない医療施設は3割以上に及ぶとされいます*3

そこで、エルピクセルでは、胸部 CT 画像の肺野領域において予め観察対象として指定した領域(関心領域)を抽出し、その体積と最大径を測定することで、医師の読影診断を支援するソフトウェアの開発に取り組みました。

*1 厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計月報年計」
*2 日本CT検診学会「低線量CT による肺がん検診の肺結節の 判定基準と経過観察の考え方 第5版」
*3 人間ドック学会「本学会会員施設における低線量CT肺がん検診の実施状況に関する調査報告」

解析結果表示例

  1. 標準線量CT

  2. 低線量CT

    ※ 低線量CTは、通常の胸部 CTに比べ被検査者に与える被ばく量を軽減することが出来ます。一方、撮影される画像は、通常のCTに比べて低質化する傾向があり、読影診断の難易度が高まると言われています。

主な機能

既存医療画像管理システムと連携可能

国際的な医用画像規格「DICOM」に準拠しています。医療機関で既に導入されている各社PACS, デジタルX線装置から画像データを受信し、PACSビューア等で解析結果を参照することができます。

基本情報

販売名医用画像解析ソフトウェア EIRL Chest CT
製造販売認証番号304AGBZX00037Z00
添付文書(Ver.1.12.3以前をご使用の方)詳細をみる
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DICOM適合性宣言書詳細をみる

撮像条件

モダリティCT
撮像条件AXIAL、スライス厚5mm以下

連携実績

PACS富士フィルム、NOBORI、キヤノンメディカルシステムズ、フィリップス、PSPなど
モダリティ富士フィルム、キヤノンメディカルシステムズなど

よくある質問

一画像当たりの計測速度はどのくらいですか?

PACSまたはモダリティーから画像を受信してから5分以内に計測結果をPACS側へ返信します。PACS側でのStorageが完了次第、各端末上で参照できるようになります。

デモは可能か?

オンラインのデモを開発中です。リリースできましたらご連絡いたします。